家族信託の費用はどれくらい?
身近な街の法律家 行政書士の任田です。
今回は、「実際に家族信託を締結するといくらぐらいかかるの?」
をテーマに記載していこうと思います。
「専門家に頼むと高そうだな」「他の相続対策と比べてどうなの?」
など比較しながら、見ていきましょう。
信託契約の書面作成から契約締結までの費用
さて、専門家に家族信託を依頼するにしても、「いったいどれぐらいの金額になるんだろう?」
というのが、まず初めに思うことではないでしょうか?
家族信託も簡単なものから複雑なものまでケースバイケースですので、
ここにお示しするのは、あくまで平均的なものとして捉えてください。
【協議の上、信託契約の書面作成から契約締結までの費用】
・信託財産に不動産がない場合 30万円~70万円
・信託財産に不動産がある場合 50万円~100万円
「えっ、やっぱり高い!!」と思われる方もいると思いますが、
例えば成年後見制度を利用したときや家族信託の良さを生かした
自由な設計をトータル的に考慮し、判断していくことが大切だと思います。
〈成年後見制度を利用したケース〉
後見人に月々の報酬として、2~6万円程度かかります。
これを10年間継続したとすると、240万~360万円 総額で支払うことになります。
家族信託のケースでは月々の費用がかかることはありませんので、
長期的な視点で考えれば低コストとなるのではないでしょうか。
家族信託の手続きで発生する費用
では次に、家族信託で信託する財産に応じていろいろな手続きが発生しますので、
その中でも主な費用を見ていきましょう。
① 先述した専門家への費用(コンサルティング費)
② 公正証書の手続き代行費
③ 公正証書の作成費
④ 司法書士への登記依頼費
⑤ 登録免許税
以上5つの費用が主に発生するものとなります。
それでは、①からもう少し掘り下げて見ていきます。
①の費用に関しては、先述のとうりですが、一般的な計算での基準もありますので参考にしてください。
・信託財産の評価額が1億円以下の部分までは、信託財産の1%(3000万円以下の場合は最低額30万円)が基準となる
・信託財産の評価額が1億円超3億円以下までは、信託財産の0.5%が基準となる
例を挙げますと、現金3000万円と不動産3000万円を信託する場合
コンサルティング費用は 60万円 ( (3000万円 + 3000万円)✕ 1%)となります。
②、③は公証役場に行き、公正証書にするための費用になります。
信託財産の金額や契約内容によっても変わりますが、
作成費用が3~10万円、公証役場への手続きや同行費用が10~15万円ぐらいが目安になります。
④は信託財産が不動産の場合、名義を委託者から受託者への変更する必要があります。
信託での登記は、他の登記と比較しても難しいレベルですので
司法書士など専門家に依頼する方が良いかと思います。
登記手続きの費用は、不動産の評価額や数によって変わりますが、8~12万円ぐらいが目安になります。
⑤に関しては、名義変更の際に発生する法務局へ支払う税金になります。
・土地・・・固定資産税評価額の3/1000
・建物・・・固定資産税評価額の4/1000
例を挙げますと、評価額が3000万円の土地を信託する場合
3000万円 ✕ 3/1000 = 9万円
まとめ
いかがでしたでしょうか。
家族信託を含め、財産の承継をすることによって、
自分の財産を自分の想いで後世に伝えることができます。
極端な場合、親族の相続争いが起こり、裁判費用がかさむことを考えれば、
手間と時間をかけて準備することは決して無駄ではないと思います。
この機会にぜひ検討してみてください。
相続の専門家などに相談すれば、手間と時間は少なからず減らすこともできますしね。
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今回も最後までとうだ事務所のブログをお読みいただきありがとうございました。
少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。では。