相続と生前贈与

自宅しか財産がない場合、相続と生前贈与のどちらがよい?

こんにちは、身近な街の法律家 行政書士の任田です。
終活を進める中で、自宅という不動産が唯一の財産である場合、
相続した方がよいのか、生前贈与した方がよいのか迷う方も多いのではないでしょうか。
どちらにもメリット・デメリットがあり、状況に応じて選択肢が異なります。
今回は、自宅の相続と生前贈与について、それぞれのポイントをわかりやすく解説します。


1. 自宅を相続する場合のメリット・デメリット

メリット

  • 相続税の控除が適用される
    相続時には「小規模宅地等の特例」を利用できる場合があります。
    この特例を使うと、自宅の土地の評価額が最大80%減額され、相続税の負担を大幅に軽減できる可能性があります。
  • 手続きが比較的スムーズ
    自宅をそのまま相続する場合、通常の相続手続きに含められるため、追加で複雑な準備をする必要はありません。

デメリット

  • 相続税が発生する可能性
    特例を利用しても、相続税が発生するケースがあります。
    現金が少ない場合は、税金を支払うために自宅を売却しなければならないこともあります。
    また、配偶者に全て相続させたが、すぐに2次相続が起きた場合、次の相続人は相続税が
    大きくなる可能性があるので、注意が必要です。
  • 相続人間でのトラブル
    他に財産がない場合、自宅を誰が相続するかでトラブルになることがあります。
    事前に話し合いや遺言書で意思を明確にしておくことが重要です。

⇒遺言書に関する過去ブログはこちら


2. 生前贈与する場合のメリット・デメリット

メリット

  • 相続トラブルを回避できる
    生前贈与をすることで、贈与する相手を明確にし、相続人間の争いを未然に防ぐことができます。
  • 早めに所有権を移転できる
    贈与を受けた人が自由に不動産を活用できるため、早めに自宅を活用する計画を立てられます。

デメリット

  • 贈与税の負担が大きい
    生前贈与には「贈与税」がかかります。
    基礎控除額は年間110万円であり、それを超える部分には高い税率が適用されます。
    特に高額な不動産の場合、贈与税が相続税よりも高くなることがあるため注意が必要です。
  • 贈与後の生活への影響
    自宅を贈与してしまうと、自分の住まいとしての権利がなくなる場合があります。
    生前贈与を行う際には、住み続けられるかを慎重に検討する必要があります。
    「配偶者居住権」という権利もありますので、うまく活用するのもよいでしょう。

    ⇒配偶者居住権についての過去ブログはこちら

3. 選択のポイント

自宅しか財産がない場合、次の点を考慮して選択するとよいでしょう。

  • 現金の余裕があるか
    贈与税や相続税を支払うための相続人の資金が不足していないかを確認しましょう。
  • 特例の適用条件
    「小規模宅地等の特例」が利用できる場合は、相続の方が税負担が少なくなるケースが多いです。
  • 家族の意向と将来の生活設計
    家族間での話し合いを十分に行い、将来的な生活設計や利用方法を共有しておくことが重要です。
  • 専門家への相談
    相続税や贈与税の計算は複雑で、ケースによって適用される特例や節税方法が異なります。
    一度、専門家に相談して適切な方法を検討することをおすすめします。


4. まとめ

自宅という大切な財産をどのように受け継ぐかは、家族の将来を考えるうえでとても重要なポイントです。
相続か生前贈与かを決める際は、税金の負担だけでなく、家族間の関係やご自身の生活を総合的に考慮することが大切です。

当事務所では、不動産相続や生前贈与に関するご相談を承っております。
専門家として最適なアドバイスをご提供し、スムーズな手続きをサポートいたします。
ぜひお気軽にご相談ください!

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