相続手続きで避けるべきポイント4選
身近な街の法律家 行政書士の任田です。
相続というのは、ある日突然に訪れるもの。
両親であったり、愛するパートナーが事故・病気などで
突然他界したら、起こる出来事であり他人事ではありません。
しかし、相続をするにしても避けるべきポイントがあります。
今から知っておくことで、相続トラブルを避けることができますので
ぜひ参考にしてみてください。
1.急いで財産分配をしない
相続が開始されると、亡くなられた方の財産を相続人でどう分けるか
決めていかなければならないのですが(遺産分割協議)、
これをあまり早くやりすぎても、あとからもめることがあります。
例えばですが、亡くなったあとから入院費、治療費、クレジットカードの請求など
請求書が届いたりします。
その請求書が来る以前に遺産分割が終わっていると、誰がその支払いをするのかなど
また揉めるのではないでしょうか。
そうならないためにも、ある程度清算してから遺産分割を進めるほうが
いいですよね。
2.重要な書類は捨てない
2つめになりますが、「重要な書類ってなに?」
と思われるかもしれませんが、
・財産に関する書類
・遺言書
になります。
財産に関する書類は、不動産の登記簿謄本や紙の株券、生命保険の証券などになります。
遺言書をあえて捨てる方はないとは思いますが、
何も書いていない遺言書の入った封筒を
そのまま捨ててしまうということはありえますので気を付けましょう。
そのほかにも、先ほど1つめで記載した、クレジットカードの請求書や
電気・ガス・水道の明細などは解約が必要な場合は残しておくほうが
後の手続きには参考になるので、とっておきましょう。
最近は、親が独居でお亡くなりになった時に、遺品整理を
不用品回収業者などに依頼することも多くなっています。
全部を任せず、重要なものは分けて確保しておくことが大切です。
3.勝手に亡くなった人の財産を使わない
3つめは、亡くなった方の財産を自分のために
使ってしまうことです。
もし相続財産に借金など「マイナスの財産」があるとします。
通常、「マイナスの財産」が「プラスの財産」より
多かった場合、熟慮期間中に相続放棄を選択することができます。
例えばですが、相続が開始したことを知ってて、亡くなった人の
銀行口座からお金を引き出して、自分のために使ったとしましょう。
そうなると、これは「法定単純承認」という扱いになり
相続放棄をすることができなくなってしまいますので
本当に気を付けなければなりません。
相続財産と個人の財産は明確に区別しておくことが大切です。
⇒相続放棄についての過去ブログはこちら
あと、これは参考になりますが、葬儀代に関しては
高額で社会的に不相当でなければ法定単純承認にあたらないとしています。
以下に参考判例をあげておきます。
参考判例
東京控判昭和11年9月21日
「遺族として当然営まざるべからざる葬式費用に相続財産を支出するが如きは道義上必然の所為にして」
法定単純承認には該当しないと判示しています。
当然営まなければならない葬式費用の範囲は明確ではありません。
大阪高決平成14年7月3日
「被相続人に相続財産があるときは、それをもって被相続人の葬儀代に充当しても
社会的見地から不当なものとはいえない。」
としており、相続財産から葬儀代を支出する行為は、
法定単純承認たる「相続財産の処分」には当たらないと判示しています。
家族や相続人の間でけんかしない
相続に関する問題は感情的になりがちです。
よく相続の相談を受けているときに、
「うちの家族は仲がいいから、もめないよ」とお話を聞くのですが、
そうならないことも多いので注意が必要です。
実際、財産の分配で平等にならなかった場合、その場でもめなくても
財産の分配が少なかった方にはしこりが残ることもあります。
どのようにすれば相続人全員が納得して遺産分割できるかを
冷静に対処していくことが大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
相続が開始すると、悲しむ暇もなくいろいろと
やらなければなりません。
焦らず、ただし期限に遅れることなく冷静に対応していきましょう。
少しでも相続に対しての知識があれば、余計な時間と労力を
かけずに済みます。
とうだ行政書士事務所では、相続の参考になるブログを記載して
おりますので、ぜひ参考にしてみてください。
⇒当事務所のホームページはこちら
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでもみなさまのお役に立てれば幸いです。では。
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