自動車を相続するには?必要な手続きと注意点
こんにちは、身近な街の法律家 行政書士の任田です。
今回は「自動車の相続」について、一般の方にもわかりやすくご説明します。
家族が亡くなった際、
その方が所有していた自動車をどうすればいいのでしょうか?
「何もしなくていいんじゃないの?」
「普通に名義変更するだけでいいんでしょ?」
実際のところ、そうではありません。
そのために手続きや注意点を知っておくことは大切です。
この記事では、自動車を相続するための基本的な手続きや注意点について解説します。
自動車の相続に必要な手続き
自動車を相続する際、以下の手続きが必要です。
1. 遺産分割協議書の作成
自動車は相続財産の一部です。
そのため他の相続人と協議して誰がその自動車を相続するかを決めます。
この話し合いで決まった内容を「遺産分割協議書」という書面にまとめる必要があります。
この協議書は、相続人全員の合意が必要で、全員の署名・捺印が求められます。
⇒遺産分割協議書についての過去ブログはこちら
2. 名義変更の手続き
自動車を相続したら、まずは名義変更(所有者変更)の手続きを行います。
(承継して乗り継ぐ場合であっても、売却する場合であっても必要)
普通の売買の名義変更とは違い、相続での名義変更では必要となる書類が
だいぶ変わってきますので、間違えないように注意してください。
自動車の名義変更は、相続による所有権の移転を運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)で手続きします。
名義変更には、一般的に以下の書類が必要です。
(お住まいを管轄する陸運局によって異なる場合があります)
- 車検証
- 亡くなった方の戸籍謄本
- 遺産分割協議書(または遺言書)
- 相続人の印鑑証明書
- 新しい所有者(相続人)の住民票(必要な場合)
- 車庫証明書(必要な場合)
必要な書類が多いため、事前にしっかり準備しておきましょう。
自動車の遺産分割協議書の参考に三重運輸支局のページをご紹介しておきます。
⇒三重運輸支局の様式集ページ
3. 自動車税の変更
名義変更が完了した後は、自動車税の納税義務者も新しい所有者に変わります。
陸運局に隣接の自動車税事務所に名義変更の内容を届け出て、自動車税の変更手続きを行います。
注意点
相続による自動車の名義変更には、いくつかの注意点があります。
1. 車検の有効期限
相続手続き中に車検が切れてしまうと、車を運転することができなくなります。
手続きが長引く場合は、車検の有効期限に注意し、早めに対応するようにしましょう。
有効期限のほか、ローンで購入した場合、所有者がローン会社になっていることもありますので
注意してください。
その場合は別の書類や手続きが必要になります。
2. 保険の継続
自動車保険も相続に伴い、契約者を変更する必要があります。
保険会社に連絡し、契約者の変更手続きを行うと同時に、保険内容を再確認しましょう。
相続による所有者変更が保険に影響することがありますので、早めの手続きが重要です。
3. 廃車の選択
自動車が古く、維持費がかかる場合や、誰も引き継がない場合は、廃車の手続きを検討することもできます。
廃車にする場合も、運輸支局で手続きを行う必要があります。
まとめ
自動車の相続は、他の相続財産と同様に手続きが必要です。
名義変更や税金、保険など、手続きには多くの書類が必要で、手順も複雑です。
しかし、正しい知識や正しく手続きを行うことで、相続トラブルを未然に防ぐことができます。
もし相続に関してお困りのことがあれば、とうだ行政書士事務所までお気軽にご相談ください。
皆様の相続手続きをスムーズに進めるお手伝いをいたします。