遺言書を残すメリットとは

家族へ伝える「自分の最後の想い」

 身近な街の法律家 行政書士の任田です。

「何のために遺言書を残すのか意味がわからない」
「遺言書を作成するほど財産がないよ」



こんな会話は相続を考え始めたときに、よくある話ではないでしょうか。
今回はそんなところをフォーカスして、
遺言書作成のメリットを記載していこうと思います。

 まずはじめに、日本では人が死亡すると相続が発生します。
これは民法において定められていることに起因します。
相続が発生するということは、自分の財産、権利や義務の全てが
相続人に受け継がれることになります。

「じゃあ、この財産どうやってわけようか」ってなると
財産が多くても、少なくてもでてくる話ですよね。
うちの家族は仲がいいから、そんな揉めることはないよ
こんな話もよく聞きますが、本当にそうでしょうか?

令和元年の司法統計のうち
「家庭裁判所に持ち込まれた遺産分割事件のうち認容・調停成立件数」
を調べてみると、遺産額が1000万円以下の事件件数割合は33%、
さらに1000万以上5000万円以下になると42%となっており、
5000万円以下で75%を超える遺産分割事件が起こっており
遺産額が少なくても相続人の間で揉めることが多いのです。

また、遺産額が1000万円以下であり、
遺産が不動産だけである場合の事件の割合は45%
さらに1000万円超5000万円以下のときは22%となっており、
不動産だけの遺産相続においては、
遺産額が少ないほうがより争いが起きる傾向だと言えます。

これらのことから、自分の残した財産で仲の良かった子供たちが
相続争いを繰り広げるのを防ぐために遺言書を作成する

これが1番のメリットになります。

遺言で自分の最後の想いを家族に伝え、
自分の財産に最後まで責任を持つのも家族への思いやりであると思いませんか?

その他代表的なメリットとしては

生前に遺産の分け方を決めておける
 例えば、妻に不動産、長男に現金、次男には株式などの有価証券
と決めておくことができます。
 それにより相続後は遺産分割の話し合いもなく
そのまま遺言に沿って承継していくことができるので
時間も手間も遺言がない場合と比べてかなり少なくなります。

相続人以外にも財産を渡すことができる
 内縁の妻や、身の回りの世話をしてくれた息子の嫁は
相続人にはなれませんので、遺産を渡したい場合などによく使われます。
ただし、相続人の遺留分を侵害することはできません。

相続手続に必要な書類が少なくて済む
 遺言書があると、被相続人の戸籍謄本は出生まで遡る必要がなくなります。
また、遺言書で相続人の指定がある場合には、
受遺者の戸籍謄本のみを用意するだけで済みます。
相続人全員の戸籍謄本を用意する必要はありません。

遺言書作成のデメリット

 遺言書作成するメリットについては記載してきましたが、
では「デメリットはあるの?」ということになりますよね。
正直なところ、相続争いが起こることを考えればそれほどのデメリットはありません。
あえて挙げるとするなら

・時間
・費用

ぐらいでしょうか。

自筆証書遺言を作成するにも、
法律上不備のないように作成するとなると調べる時間はかかります。
また公正証書遺言を作成するとなると、
公証役場に行く時間が必要になり公証人への手数料も発生することになりますが
自分の死後にスムーズに相続が行われることを考えればそれほどのものではないと言えます。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。
遺言書作成一つで、自分の死後の流れが
大きく変わるご家族は多いと思います。

自分の両親が亡くなったときにご苦労なされた経験があるなら、
なおさら自分のご家族に大変な思いをさせないよう
ぜひこれを機会に考えてみてはいかがでしょうか。

遺言書には遺産以外に書く内容も法的に効果のあるものとないものもあったり、
法的に不備があり無効になるものもありますので
作成に心配、不安があるようでしたら遺言書作成の専門家である行政書士にご相談ください。

今回もとうだ行政書士事務所のブログを最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。では。

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