新しい認知症治療薬～～レカネマブ～～
aki23.touda@gyousyo-officeレカネマブってどんな薬？？
愛知・岐阜・三重の医療機関設立サポート 行政書士の任田です。
今回は令和５年９月２５日に厚生労働省により製造販売が正式承認された、アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」について
記載していこうと思います。
レカネマブは日本の製薬大手「エーザイ」とアメリカの「バイオジェン」が開発したものです。
レカネマブの日本での商品名は「レケンビ®点滴静注」になるようです。
レカネマブは、アミロイドβと呼ばれる特定のタンパク質に対する抗体医薬品です。
これを投与することにより、レカネマブがアミロイドβに結合して、病変が引き起こされないように防いでくれるだけでなく、
脳の中に分布している「ミクログリア」という細胞が、レカネマブと結合したアミロイドβを食べて分解するとされています。
つまり、このアミロイドβが原因でアルツハイマー病が発症しているという考え方があるため、その原因を取り除くことで認知症を改善しようということなんですよね。
アメリカではFDAよりアルツハイマー病の進行を抑制し、認知機能と日常生活機能の低下を遅らせることが確認され、フル承認を取得した世界初かつ唯一の治療薬としてとらえられている薬剤です。
いつから、費用はどれくらい？
実際に承認されたので、通常であれば年内には使えるのではないかと思われます。
ただ「レカネマブ」が承認されても、アルツハイマー病の患者すべてが使えるようになるわけではありません。
この薬の効果が期待できるとされるのは、症状が比較的軽く、脳に「アミロイドβ」がたまっていることが確認できた早期のアルツハイマー病の患者で、症状が進行した患者などは薬の対象にならない見通しです。現実的に、アミロイドβがたまっていて、早期のアルツハイマー病だと診断をする医療機関がまだまだ少ないのも課題ではあります。
さらに、薬自体の価格も課題です。日本でのレカネマブの価格はまだ決まっていませんが、すでに承認されているアメリカでは、日本円に換算しておよそ３８５万円と設定されています。もし同じような価格で決まると、３割負担で１３０万円弱ということになるでしょうか。なかなか支払える金額ではないですね・・・
まとめ
いかがでしたでしょうか。既存のアルツハイマー型認知症の治療薬（ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチン）は症状を一時的に軽減できるに過ぎず、根本的な治療には至らなかったと言えます。（もちろん今までの薬としての功績は多大でした！！）
今回承認されたレカネマブは、いろいろと課題が見え隠れはしますが、新しいタイプの治療薬であり、認知症治療の大きな進歩となるべく期待したいと思います。
今回もとうだ行政書士事務所のブログを最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。では。
